12月26日(金)に開幕する、学童球児の夢の祭典「NPBジュニアトーナメント KONAMI CUP2025」のチーム情報第3弾は、北の大地から! 北海道日本ハムファイターズジュニアは就任2年目の𠮷田侑樹監督のもと、道内の応募350人から選ばれた精鋭16人が一丸となり、14年ぶりのジュニア日本一を期して活動している。
(写真&文=柴田隼斗)
前年準Vも、喜びより…

年々、どの球団も本気度が増しており、「ジュニア選手」の競争倍率も大会のレベルも上がるばかり。まさしく“夢舞台”となっているなかで、日本ハムJr.は昨年、10年ぶりの決勝進出を果たして準優勝した。銀メダルは2008年、2014年に続いて3個目だ。
しかし、圧倒的な戦力で予選リーグをトップ成績で通過していた。それだけに、銀メダルの喜びより優勝を逃した、との思いが強いのかもしれない。「昨年は悔しい成績に終わってしまいました」と振り返る吉田監督は、心を新たにしていた。
「昨年以上に、優勝という言葉にこだわって取り組んでいます」
向かうは2011年大会以来、14年ぶり2回目のジュニア日本一だ。

活動は毎週末、土日の練習が中心となる。
「限られた練習時間の中で、消極的にならないよう、全員が声を出し、アピールにもつなげてほしい」と語る吉田監督は、ハムの元投手。東海大では2014年に大学選手権優勝、大学ジャパンにも名を連ねた。短期間の代表チームも経験しているとあって、理想は具体的かつ現実的だ。
「良いプレーも、悪いプレーも指摘しあえるようなチームになってくれたら」
そんな指揮官に、今年は頼もしい味方も加わった。ハムの元投手で、2020年大会から2023年大会までは日本ハムJr.を率いた須永英輝氏がコーチとして復帰。同じく元ハムの外野手、谷口雄也コーチと3人の指導体制は万全だ。

「愉しむ」テーマに日本一へ
キャプテンを担うのは、札幌・東16丁目フリッパーズの主将でもある丹場泰生(=下写真)。所属チームは道内はむろん、全国的に知られる名門で、2019年には道勢初の日本一に。今夏の全日本学童マクドナルド・トーナメントはベスト16入りしている。
「『愉しむ』をテーマに、野球を愉しみながら日本一を目指していきたい」

精鋭が集う日本ハムJr.でも、丹場主将は自身が中心となって、チームをまとめていく覚悟。その目はまた、地元の広い大地と未来へも向けられていた。
「この先も中学、高校とお互いを意識しあい、僕たち世代で北海道内の野球を盛り上げていきたい」

夏の全国経験者がメンバーに6人。徳田隆之介(上)は東16丁目フリッパーズの四番・捕手、柳谷一桜(下)は5年時の昨夏、岩見沢学童野球クラブの八番・遊撃で活躍した(撮影/大久保克哉)

大型選手が目立った昨年に比べると、今年のチームは小柄な印象。どういう野球が展開されるのか、カラーが決まってくるのもこれからとなるが、練習の方針は明解だ。
「難しいことよりも、レベルアップにつながる基本的な技術メインの練習を中心にしています」(𠮷田監督)

大会に出場するジュニアチームは近隣になく、最も近くて宮城県の楽天Jr.となる。寒冷地でもあり、ライバル同士での切磋琢磨はできないが、道内では全国で5番目に多い358の学童軟式チームが活動している。また取材日のように、中学生チームも練習試合習の相手を務めてくれている。
そういう“道仲間”の力も借りて実戦も重ねながら、日本一を目指して戦う集団へ。日本ハムJr.は、これからも成長していく。

■北海道日本ハムファイターズジュニア2025
スタッフ&メンバー
代 表 大塚 豊
監 督 𠮷田 侑樹
コーチ 須永 英輝
コーチ 谷口 雄也
1 川内谷遥泰(余市強い子野球スポーツ少年団)
2 宮下 蓮(前田リトル)
5 中野 仁介(幌南ファイターズ)
6 丹場 泰生(東16丁目フリッパーズ)
7 樋口 聖良(釧路ゴールデンモンキーズBBC)
8 伊賀 涼茉(扇山レッドペッカーズ)
10 近藤 舞弥(東札幌ジャイアンツ)
11 井上峻之介(本郷イーグルス)
13 柳谷 一桜(岩見沢学童野球クラブ)
18 吉田 晴(岩見沢学童野球クラブ)
21 徳田隆之介(東16丁目フリッパーズ)
22 今田 善(札幌オールブラックス)
23 佐藤 七音(黒松内スターズ)
35 新垣 祈龍(元世名城ジャイアンツ)
36 小松 絆人(そらちJBCベアーズ)
99 岩野 崇來(夕張ダイヤモンドスターズ)
※数字は背番号、カッコ内は所属チーム。太字は全日本学童大会出場